キャリア志向の社会人についてまわる「自分のスキルはどこでも通用するのか?」という疑問。
社会人一年目を終えようとしている方なら、この一年間で同期よりはいい成績をあげられたけれど他の会社にはもっと優秀な人が多いのだろうか?
社会人五年目の方なら、日々の仕事をこなすのは簡単だけれど今の仕事を通して自分が成長できているのか解らない。
といった不安を感じたことがあるのではないでしょうか。
終身雇用ではなく転職ありきでキャリアを考える時代だからこそ、どこの会社でも通用するスキルや思考術を身につけておくことが重要となってきています。
そんな「どこの会社でも通用する普遍的なスキル」を身につけたい方にオススメなのが「コンサル一年目が学ぶこと」という本です。
「コンサル一年目が学ぶこと」に書かれている内容
まずはこの本に書かれている内容の目次を抜粋してみます。
「コンサル一年目が学ぶこと」という題名ですが、コンサルタントの仕事に特化した内容というわけではなく、「仕事の効率的な進め方」「ビジネスにおける物事の考え方」という部分にフォーカスが当てられていますね。
●第一章:コンサル流話す技術
01.結論から話す
02.Talk Straight 端的に話す
03.数字というファクトで語る
04.数字とロジックで語る
05.感情より論理を優先させる
06.相手に理解してもらえるように話す
07.相手のフォーマットに合わせる
08.相手の期待値を把握する
09.上司の期待値を超える●第二章:コンサル流思考術
10.「考え方を考える」という考え方
11.ロジックツリーを使いこなす
12.雲雨傘 提案の基本
13.仮説思考
14.常に自分の意見をもって情報にあたる
15.本質を追求する思考●第三章:コンサル流デスクワーク術
16.文書作成の基本、議事録書きをマスターする
17.最強パワポ資料作成術
18.エクセル、パワーポイントは、作成スピードが勝負
19.最終成果物から逆算して、作業プランを作る
20.コンサル流検索式読書術
21.仕事の速さを2倍速3倍速にする重点思考
22.プロジェクト管理ツール、課題管理表●第四章:プロフェッショナル・ビジネスマインド
「コンサル一年目が学ぶこと」目次部分より抜粋
23.ヴァリューを出す
24.喋らないなら会議に出るな
25.「時間はお金」を認識する
26.スピードと質を両立する
27.コミットメント力を学ぶ
28.師匠を見つける
29.フォロワーシップを発揮する
30.プロフェッショナルのチームワーク
これらの題目の中から気になる内容は見つかりましたでしょうか?
基本的には多くの方にとって興味をそそられる内容ばかりなのではないかと思います。
なぜなら、これらの題目は一つの内容に絞って深く書かれた書籍も多いものばかりだからです。
「考える技術・書く技術」や「仮説思考」「外資系コンサルの資料作成術」といった本はビジネスマンのバイブルとも言える人気のある名著ですね。
ということもあり「何か本を読みたいけれど、何から読んだら良いか解らない」という悩みがある方なら、自分がどの内容について詳しく学びたいのかを理解するためにまずはこの本を読んでみるという使い方がオススメです。
この本に書かれていることはあくまで各項目のエッセンスの部分です。
コンサルの仕事現場を例えにして簡潔に書かれているのでそれぞれの内容は理解しやすいですが、深く学ぶということには向いていません。
この本の文中にも各内容の参考書籍が多く紹介されていますので、興味のある内容については参考書籍も読み込んで自分のビジネススキルを磨いていきましょう!
(「考える技術・書く技術」などビジネスバイブルには読みにくい本も多々ありますが…笑)
普遍的な仕事術とは?
ここで、普遍的な仕事術とはそもそも何なのか?
ということも疑問に上がってくるのではないかと思いますので、この内容について考えてみます。
まずここでは「普遍的な仕事術=どんな環境でも活躍できる仕事術」と考えてみようと思います。
「活躍できる=クライアントや自社に価値提供できる」ということですね。
この本に書かれている内容で言うと「効率的な仕事術」から「思考術」「ビジネスマインド」という精神的な部分まで様々記載されていますが、価値を提供するために必要な根幹のスキルは「考える力」だと思います。
つまり「ものごとの課題を抽出したり、課題を解決するための解決方法の仮説を立てられる」というスキルが他者との差別化を測るために必要です。
このスキルを根幹として、それを実行に移す際に「効率的な仕事術」があるとハイスピードで結果を出すことができるので更に価値ある人材になれるというイメージですね。
その点で言うとこの本の第二章に書かれている内容は特に重要だと思います。
AIの時代に必要とされるスキル
考える力がなぜ重要なのかについて、今後の時代の流れを背景に書いていきます。
近頃だと、IT系の仕事をしていなくてもAIが実際に自社に導入されているという方も多いのではないでしょうか?
ですが、「AIと聞くと凄そうに感じるけれど実際には何ができるの?」
「AIに仕事を取られるって本当なの?」と疑問に思っている方も多いと思います。
AIができることを簡単に説明すると代表的なのは「膨大な過去のデータを基に何かを予測する」ということです。
例えば、チェスの膨大なゲーム結果を基に各場面の最適なコマの動かし方を選択するなど。
チェスは決められた範囲内でしかコマを動かせないので、どの動かし方が最適かはある程度正解があります。
これは、人間より計算の早いAIの方が得意なことです。
何らかの正解がある場面ではAIに任せた方が効率が良いのですが、過去に膨大なデータが溜まっていなかったり、いくつかのバラバラの情報から何か新しいことを考えたりという場面ではAIは活躍できません。
つまり、定型的な仕事や単純作業はAIに代替され始めていますが、情報から新しい仮説を考えてその仮説を検証できるスキルがAI時代にも必要とされる「普遍のスキル」だと言えますね。
この本の内容が実際に役に立つシーン
この本に書かれていることは結局コンサル業界で働く場合に役立つ内容じゃないの?
と思うかもしれませんが、どの会社でどの職種で働く場合でも活用できる内容が書かれています。
例えばメーカーの営業職の場合だと、同じような機能を持つ競合他社とコンペになることがよくあると思います。
そんな時に「商品の強みや価格面」ばかりで訴求してしまうと、結局は安いところが選ばれてしまうという結果になりがちです。
そこで他社との差別化を行うためには、クライアントの状況をリサーチして課題に感じていること、潜在的な課題をいかに具体的に伝えられるかがポイントとなります。
自社のことをしっかりと理解している営業に発注を頼むのがクライアントにとって最も安心できる判断です。
モノではなく、コトを売るという営業手法です。
この「仮説と解決策を考えて具体的に提案に落とし込む」という作業が正に本書の第一章、第二章に書かれている内容です。
考える力はどんな仕事にも役立つこと間違いなしです。
まとめ:自分の仕事術をアップデート
ということで、仕事におけるスキルアップを考えている方にオススメの書籍のご紹介でした。
筆者の大石さんは新卒でアクセンチュア戦略部門に入社し、一年目から先輩コンサルタントにビシバシと鍛えられてプロフェッショナルマインドを多く学ぶことができたとのことです。
自分の社会人一年目がどんな環境で、どんなことを学んだのかなどと比較して読んでみるのも面白いかもしれませんね。
また、この本では筆者の体験だけはなく、同様に外資系コンサルティング会社で働いた方の総合的な意見をまとめて書かれたものなので大系的な内容となっています。
書籍の言葉を借りると、
・職業を問わず、業界を問わず、15年後にも役立つ普遍的なスキルを
・社会人一年目で学ぶ基礎的なレベルから理解できるようになります
ということで、今一度自分の仕事術を考えてみるための一冊としてお勧めできる本です。
この本は「本の要約アプリ flier」でも読むことができるので、サマリだけ読んでみたいという方はflierで読んでみるのもお勧めです▼
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